【カサンドラ症候群】はアスペルガーの被害者なのか?
以前、ひといちばい繊細な人(HSP)は、カサンドラ症候群になりやすいという記事を書きました。記事を読んだ方からたくさんの反響をいただきまして、今日はそのアンサーブログです。
この記事をアップしたところ、たくさんのパートナシップに悩める女性たちからご連絡をいただきました。
- カサンドラ!はじめて聞きました。夫がアスペルガーかどうかはわかりませんが、その傾向はあると思います。
- なんでこんなにも話が通じないんだろうと日々悩みの中にいました。原因がわかってホッとしました。
- 夫婦関係がうまくいかないのは自分の我慢が足りないからだと思っていましたが、これを読んでそうじゃないだと思いました。自分と同じような境遇の人がいると思うと救われます。
- 私は独身ですが、父がまさにこんな感じの人で、母はうつ病になってしまいました。
繊細な方の多くが(全員ではありません)、自責傾向が強く、何かと責任を感じてしまいがちです。
特にパートナシップについては、お手本が自分の両親くらいしかいないので、家長制度のなごりをいまだに引きずっていて、夫婦関係が主従関係になっていたりもします。
そんな方たちが、カサンドラ症候群について知ることで、「自分だけが悪いわけではない」と自分責めをやめるきっかけになればいいなと思って書いた記事で多くの共感をいただけたこと、とてもうれしく思っていました。
ただ、それと同時に浮上する、「カサンドラ=被害者」問題についても伝えることが大事なんじゃないかと思い、改めてこの記事を書くことにしました。
カサンドラ症候群と気づいたとき
パートナーがアスペルガーだと知り、自分がカサンドラ症候群だと気づいたとき、上記の方たちのように積年の疑問が解けるような安堵感に包まれた人もいるのではないでしょうか。
でも、それと同時に「今までずっとがまんしてきたのに!」とパートナーに対する怒りがフツフツと沸いてきてしまう人も多いかもしれませんね。
- 問題は夫の方にあったんだ。
- おかしいのはわたしじゃなかったんだ。
- あの人に共感力が足りないから、わたしはこんなに苦しかったんだ。
- まるでわたしが悪者みたいに否定ばかりしてたけど、原因はあなたじゃない!
どっかーーーん!!
そして、
アスペルガー=加害者
カサンドラ症候群=被害者
の構図ができあがってしまいます・・・
相手を加害者、自分をその被害者とラベリング(レッテル貼り)してしまうことで、お互いの価値観の枠に閉じこもり、頑として譲らなくなってしまう。
人によっては、パートナーを無理やり病院に連れて行こうとしたり、何かにつけて「あなたがアスペルガーだから」なんて言って追い詰めてしまうかもしれません。
これでは本末転倒で、せっかく謎は解けたけど、自分を顧み無くなった分、余計関係はこじれるなんてことにもなりますし、場合によっては追い詰められたパートナーの方がうつ病を発症して、うつ病カップルなんてことにもなり得ます。
自分責めをやめることは大切だけれど、その代わりに他人責めをしても問題は解決しません。
このアスペルガー&カサンドラ問題は、両者に原因があり、そしてそのどちらも加害者ではないのです。
カサンドラ症候群の人は、どうしても被害者意識が強くなりがちですので、そのことをどうぞ心に留めておいてください。
火のない所に煙は立たない
わたしは、人間関係のお悩みを抱えてカウンセリングに来られる方によくこのお話をします。
「問題の火種は、ずっとあなたの中にあったんですが、今までたまたまそれが表面化していなかっただけなんですよ」
と。
問題というのは、あなたの「心の傷」です。
それは、生まれ持った特性や生育環境(家族)、学校での体験(先生・友達)といったものがいくつも折り重なってできていったあなたの中にある複雑性トラウマです。
根本的な問題(心の傷)がずっと残っていて、今まではその上に海面があったから気づかなかったけれど、何かの要因で水面が下がりそれが表出してきたと考えるのです。
海面が下がる理由は、
不景気、人間関係のトラブル、事故、事件、健康問題、親の死、親の介護、加齢、体力低下、更年期障害、子育てなど、多岐に渡ります。
複数の原因が重なることもあります。
そうやって、人はうつ病になったり、精神疾患を患ったりするのです。
たとえば、
HSPとして生まれて繊細な気質を持っている子が、親に言われた心無いひとことで心に傷を負っている。
そこに、学校で友達に仲間外れにされるという経験をし、さらに心の傷を深める。
自信がないまま社会に出て、上司に叱責される。
そして、うつ病になり会社をやめる。
といった場合、
一般的には、うつ病になった理由は「上司に叱責されたこと」が原因とされますが、それはあくまで根本的な問題を表面化する最後の引き金にすぎず、実は、そこを掘り下げていくと、その人の生まれ持った特性や幼少期の体験が深くかかわっていることがわかります。
パートナシップもそれと同じで、
「ご主人がアスペルガーであるということ」は、問題を表面化する最後の引き金であって、残念ながらカサンドラ症候群(不安や抑うつ)になる根本的な理由は、元々あなたの中にあったハズなんです。
特にHSPの場合、繊細な気質を持って生まれた分、心にたくさんの傷を負ってきているという可能性は大いに考えられます。
なので、ご主人だけが悪者で、自分には一切問題がないと考えてしまうのは、あまりに極論です。
そのような価値観でいる限り、きっとどんな人と再婚しても、同じループにはまるんじゃないかと思います。
善悪のジャッジを終わらせる
こじらせ繊細さんの多くは「白黒思考」に陥っており、相手が白なら自分が黒、自分が白なら相手は黒、というように、どちらか片方にものごとの責任の所在があると思い込みがちです。
カサンドラ症候群を知るまでは自分責めがやめられなかった方が、知ったあと180度真逆に振り切れて、「あなたのせいでこうなってる!」と怒りに満ちてしまうのは、この白黒思考が原因です。
アスペルガーもHSPも、生まれ持った特性であり、その人の一存ではどうすることもできません。
ましてや、アスペルガーが悪で、HSPが善だなんてこと、ぜったいにありません。
目の大きさや指の長さがひとそれぞれちがうのと同じで、生まれ持った脳の特性は、ただの「ちがい」であり、個性です。
夫がアスペルガーだからわたしは不幸なんだ!!
そう決め込んでるうちは、絶対に幸せになれません。
ぜったいのぜったい!120%幸せになれません。
まずは、どちらかが間違っているという白黒の判断を手放し、「どっちらも不完全でグレーな存在」であるということを認めるところからスタートです。
「どちらも不完全なのは認めるけれど、でもわたしの方がマシですよね?」という声が聞こえてきそうですが、そう思っている限り、たぶんどっちもどっちです。笑。
被害者意識を手放すには?
だけどどうしても、「わたしは夫のせいで不幸なんだ」という気持ちがぬぐえない、ということもあると思います。
日々一緒に生活をする中で飛んでくる容赦ないひとことに胸をグサッとえぐられては、「わたしは誰にもわかってもらえない。」「この人と結婚なんてしなければ今ごろ・・・」という思考が働くのは無理もありません。
どうしたら、このつらいつらいループから抜け出せるでしょうか?
その答えは、あなたの中に元々あった「根本的な問題(心の傷)」に向き合うことです。
一見すると過去のことと今目の前で起こっている夫の言動が密接に関係してるなんてピンとこないかもしれません。
でも、これ以外の解決法、わたしは知らないんです。唯一の道だと思っています。
前回のブログにも書きましたが、カサンドラ症候群になる人はアダルトチルドレンでもあります。
というより、「アスペルガーのパートナーとの関係によってアダルトチルドレンの問題(心の傷)が表層化した人」をカサンドラ症候群という名前でくくっているだけです。
なので、克服すべきはカサンドラ症候群ではなくアダルトチルドレンだということです。
「アダルトチルドレン」と聞くと耳を塞ぎたくなるそこのあなた!!
もう一度言います。
克服すべきはカサンドラ症候群ではなくアダルトチルドレンです!!!
悪いのはわたしじゃなくて、人の気持ちを考えられない夫だ!
だから、わたしは変わる必要なんてない!
変わるべきは夫でしょ!!!!!
・・・それ、ずっと言ってるつもりでしょうか?
ずっと外に原因を探してつらい人生のままでいいんでしょうか?
そんなご両親の姿を見て育つお子さん、幸せになれるでしょうか?
厳しい言い方かもしれませんが、
「カサンドラ症候群」に甘んじて、自分が向き合うべき問題から目を背けていても幸せにはなれません。
自分を幸せにするために、家族を幸せにするために、ご自分の問題と向き合ってみませんか?
自分の問題に向き合うことを恐れないで
今のわたしからすると、自分の問題に向き合うことは、「さっさとやっとけば良かったこと」です。
こんなに楽になれるのなら、こんなに幸せになれるのなら、なんであんなに人のせいにばかりして逃げ回っていたんだろう。
そう思います。
でも当時のわたしにとって、自分の非を認めることは敗北であり、負ければ人としての価値がなくなると思っていました。
だから、向き合うのを恐れる気持ち、めっちゃよくわかるんです。
それに、わたしのお客さまの中には、
自分が我慢を続けることでかろうじて家族の均衡を保っていると考えている方もいて、自分が問題をクリアにしてしまうと、ぜんぶが崩れてしまうのではないかという恐れを抱えていたりします。
また、自分の問題を解決してしまうと、誰からも注目されなくなるのではないかという孤独への恐れから、向き合うことから逃げようとする人もいます。
そして、自分をアダルトチルドレンだと認めることは、親に対して申し訳ないという理由で幼少期の問題から目を背けたがる人もいます。
理由はそれぞれですが、何らかの恐れが、課題に向き合って幸せになることを妨げています。
その恐れを乗り越えて、「幸せになる決意」をしない限り、ずっと同じところを堂々巡りしてしまいます。
経験者であり、数多くのクライアントさんを見てきたわたしから言えることは、
自分の問題に向き合った方が圧倒的に幸せ
ということです。
周りのせいにしていると、その人たちが心を入れ替えてくれない限り幸せになれないけれど、自分の問題に向き合うとき、周りの状況は何も変わらなくても、今この瞬間から幸せになれちゃいます♡
まとめ
今日は、カサンドラ症候群と知って、被害者意識がむくむくと湧き上がってきてしまった人向けに書きましたが、「被害者意識」に関しては、みなさんにぜひ考えていただきたいことでもあります。
参考になれば幸いです。
- アスペルガー=加害者、カサンドラ=被害者ではない。
カサンドラ症候群と知って、自分責めをやめることは大切だけれど、その代わりに他人責めをしても問題は解決しない。
- カサンドラ症候群は、被害者意識が強くなりすぎるので要注意。加害者でなければ被害者でもない。
- 問題の火種はずっとあなたの中にある。アスペルガーのパートナーによってそれが表層化しただけのこと。
- 問題は、積み重ねてきた心の傷=複雑性トラウマ
- HSPは、繊細な気質であるがゆえ幼少期に心の傷を負いやすく、複雑性トラウマを抱えやすい。
- こじらせ繊細さんは、白黒思考になりがちだけれど、どちらもグレーの視点を忘れずに。
- アスペルガーもHSPも生まれ持った特性であり個性。
- カサンドラ症候群の人が、アスペルガーのパートナーのせいで不幸だと思い込んでいるうちは、決して幸せにはなれない。
- カサンドラ症候群の克服は、根本的な問題(心の傷/複雑性トラウマ)に向き合うこと。
- 克服すべきは、カサンドラ症候群ではなく、アダルトチルドレン。
- 自分の課題に向き合うことへの恐れはあるが、向き合った方が圧倒的に幸せになれる!
カサンドラ症候群は、被害者でも加害者でもなく、ただあなたの根本的な問題が表面化した状態です。自分の問題に向き合うことを決めれば必ず克服できます。
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