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【お悩み相談】自分に価値があると思えない ~無価値感の癒し~

    
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【お悩み相談】自分に価値があると思えない ~無価値感の癒し~

ご相談者さま:美空さん(40代)

私は昔から人間関係がうまくいかず、集団にうまく馴染めなかったり、雑に扱われているように感じることが多いです。

そのため、自分がここにいてはいけないのではないかということばかり考えてしまいます。

「人は生きているだけで価値がある」と言いますが、どんなに頑張っても、そうは思えないのです。

いくら「自分は価値がある!」と言ってみても、そう口で唱えてるそばから、「そんなの嘘だ」と否定する気持ちが生まれます。

どうしたら、自分に価値を感じられますか?
どうしたら、他人から雑に扱われなくなりますか?

ずっとその答えを探しています。

森からのお答え

美空さん、ご質問ありがとうございます。おおきなテーマですが、わたしなりに精いっぱいお答えさせていただきます。美空さんの長年の疑問を解くカギになれば幸いです。

自分に価値を感じられない日本人

はじめに。美空さんに限らず、自分に価値を感じられていない人はたくさんいます。

「自分に価値 感じられない」などの検索で、この記事にたどり着かれ方もきっと多いでしょう。

こんなデータがあります。

国立青少年教育振興機構という機関が発行している調査報告書に、「高校生の心と体の健康に関する意識調査」というものがあるのですが、この中の「私は価値のある人間だと思う」という問いに対して、「はい」と答えた高校生の割合が、日本だけぶっちぎりで低いんです。

  • 日本・・・44.9%
  • アメリカ・・・83.8%
  • 中国・・・80.2%
  • 韓国・・・83.7%

【参考】高校生の心と体の健康に関する意識調査―日本・米国・中国・韓国の比較―(平成30年3月版)

自分自身に存在価値を見いだせていない若者が、諸外国と比較して圧倒的に多いという結果です。(これでも以前よりは改善されてるらしいのです。)

順位的には予想の範疇ですが、ここまで数字の差を見せつけられるとちょっと引いてしまいますよね。

なぜ、日本人はこんなにも「自分には価値がない」と思ってしまうのでしょうか?

ぜひ、このテーマ、他人事と思わずに一緒に考えてみていただけたら。

「自分に価値を感じられない」とは?

続いて問題点を明確にしておきましょう。

「自分に価値を感じられない」を感情の言葉で言い表すならば、「無価値感」と言います。

つまり厳密に言うと、美空さんは「自分に価値を感じられない」というより、「自分に価値が無いと感じている」ということになります。

細かいようですが、ここはけっこう大事なちがいだったりします。

問題点を意識すると、アプローチが変わります。

×自分に価値を感じられない→自分に価値を感じられるようにもっと努力しよう
〇無価値感を感じている→無価値感を癒そう

というわけで、美空さんに今必要なものは「努力」ではなく、「癒し」なのです。

どうして「癒し」が必要なのか?

どうして癒しが必要なのか。

それは、シンプルに「傷ついているから」です。

先ほどもお伝えしたとおり、「価値がない」と考えると、「価値がある」状態になろうと努力します(もしくはそれすら放棄してしまう)が、実際には「無価値感」を感じてしまうことが問題なので、その感情の源泉となっている心の傷を癒す必要があるということになります。

無価値感を感じている人は、生まれつき自分で自分を無価値だと思っていたわけではありません。

生まれてから今までの間に「自分には価値が無いんだ」という経験を重ねて心が傷ついてきたから、無価値感を抱えているのです。

その傷ついた心を癒さなければ、無価値感を手放すことはできません。

無価値感を抱く原因

おとなになってよほど大きなトラウマでも背負い込まない限り、その傷つき体験の大元は幼少期にあると考えられます。

子どもは本来、幼少期にいちばん身近なおとな(≒母親)から、継続的に無条件の愛を注いでもらえることで、自分は価値のある存在だという感覚(有価値感=自己肯定感)を育んでいきます。

無条件の愛とは、どんなに失敗しても、うまくできなくても、なんにもできなくても、そこにいるだけで認められ、大切に愛してもらえることです。

ところが、DV(家庭内暴力)・ネグレクト(育児放棄)・アルコール依存や薬物依存などといった機能不全家族で育った子どもは、この感覚が非常に乏しいです。

それだけでなく、家庭内の不仲、過干渉・過保護、ヒステリー、スキンシップ不足、自分の特性(発達凸凹・HSCなど)を理解してもらえない、きょうだい差別がある、養育者の精神状態が不安定、このような隠れ機能不全家族で育った子も同様です。

そして、隠れ機能不全家族の中でも、ダークホース的でなかなか気づきにくいのですが、「条件付きの愛」しかもらっていないという子もおとなになって無価値感に苦しみます。

  • うまくできたときだけ、認めてもらえた。
  • 100点取ったときだけ、褒めてもらえた。
  • お手伝いしたときだけ、感謝された。
  • 素直に言うことを聞いたときだけ、ご褒美を与えられた。
  • 親の機嫌がいいときだけ、優しくしてもらえた。

このように親を満足させられたときにしか愛情を感じられない環境下で育つと、自分の価値が「存在そのもの」によるのではなく、「他者からの承認(先生の評価・テストの点・スポーツの結果)や他者の気分(親の機嫌・好みなど)」に支えられているのだと勘違いして学習してしまうので、それらが無い状態の自分(=ありのままの自分)に価値があるなんて思えないのです。

たとえ厳しく叱られた経験がなくとも、このように傷ついている子はたくさんいるのです。

わたしのお客さまの多くは、ご自身の幼少期を「それなり」だとおっしゃいます。
つまり、無価値感をガッツリ植え付けられるようなできごとに心当たりがないと言うのです。

それでも、自分に価値を感じられないということは、残念ながら、親から受け取っていた愛が条件付きだと感じていたわけです。

【無価値感を抱く理由】
①機能不全家族
:DV・ネグレクトなど家庭内に目に見える問題がある。
②隠れ機能不全家族:一見すると目立った問題はないが、子どもの心が傷つくような争い・不和・差別などがある。
隠れ機能不全家族の中でも、いい子にしていたときだけ褒めてもらえるなど、条件付きの愛しか受け取れていない。

わたしは、諸外国に比べて日本人がここまで無価値感を抱える人が多い理由は、決して一家庭内の問題ではなく、教育現場なども含め、日本全体が子どもをおとなの都合でコントロールするためのほめ育て(条件付きの愛)に偏り過ぎていることが原因だと考えています。

ここを本気で改めなければ、子どもたちも将来、みなさんと同じような生きづらさを抱え込むことになってしまうのです。

そのためにはまず、親自身の無価値感を手放す必要があります。

自分に価値があると思おうとすること(努力)

先にお伝えしたとおり、自分の無価値感を「癒し」ではなく「努力」で埋めようとすると、自分に付加価値(+α)を付けようとします。

  • 学歴・職業・年収・ステータスへの固執
  • ブランド・容姿・住む場所・乗る車などへのこだわり
  • パートナーの容姿・年収・家柄などへの固執
  • 必要のない資格の取得
  • 何者かになろうとする
  • 他者の欠点探し(あの人よりマシ)

このようなことで、自分の価値をどうにか保とうとしてしまいます。(ちなみに、以前のわたしはこれ全部やってました。特に無駄な資格いっぱい取ってたw)

努力は、自分に価値を感じられている人がさらなる強みとして上乗せするもの(ゼロからプラス)であって、マイナスを補填するためのものではありません。

自分に価値を感じられていれば、人と比較して勝つ必要もないので、むやみに他人を見下したりしません。他者へのマウントは、自分に価値を感じられていない人のすることです。

ありのままの自分に何か価値を加えなければ、自分に価値を感じられない。それはつまり強い無価値感を持っている証なのです。

本当に自分に価値を感じられるようになるためには、努力でマイナスを補填しても無意味です。
努力をすればするほど、上には上がいて無価値感が強化されます。

無条件に自分を愛するということ(癒し)

わたしの言う「癒し」とは、インナーチャイルドヒーリングのことです。(インナーチャイルドケアの前半部分)

無価値感を感じているとき、もしくはそれを努力で埋めようとしてしまっているときには、ご自分のインナーチャイルド(潜在意識)が「ありのままでいたらお母さんに愛してもらえないんだ」と嘆き悲しんでいることに気づいてください。

「無価値感を感じる必要はない」「あなたには価値がある」と励ますのではなく、無価値感を感じること、それをそのまま包み込んで肯定してあげることこそが癒しになります。

「そうだよね。自分には価値が無いって思っちゃうよね。だって、子どもの頃からいい子にしてなきゃいけない、がまんしなくちゃいけないって、がんばってきたんだもん。だから、何もない自分に価値があるなんて思えないんだよね。無理に価値があるなんて思おうとしなくていいよ。そんな風に感じるあなたもまるごと受け止めていくよ。」

美空さんがどんな幼少期を過ごしていらしたかわからないので、ズバッと刺さるメッセージになっていないかもしれませんが、こんな風にご自身の琴線に触れる言葉を探していただき、無価値感を否定することなく寄り添っていただくことで、癒しは進んでいくはずです。

「自分には価値がある」などと唱え言い聞かせることは、インナーチャイルドにとって、お母さんに悲しみを理解されないままポジティブになることを強要されているようなもので、わたしは逆効果だと思っています。

美空さんが「そう口で唱えてるそばから、『そんなの嘘だ』と否定する気持ちが生まれます。」と書いてくださったとおり、インナーチャイルド(潜在意識レベル)で無価値感を手放せなければ意味がないのです。

「どうしたら、自分に価値を感じられますか?」

無価値感を癒せば、自分に価値を感じられるようになります。

「どうしたら、他人から雑に扱われなくなりますか?」

無価値感を癒して、自分に価値を感じられるようになれば、他人から雑に扱われても気になりませんし、その結果、人前で無理に気を遣ったり好かれようと不自然な態度になることもなくなるので、雑に扱われることも必然的に減っていきます。

さらに、他者との比較のためでなく、自分の成長のために努力できるようになるため、ますます存在価値は高まっていきます。

幼少期に負った心の傷を癒し、マイナス部分を抱えた自分をまるごと無条件で愛することができることが無価値感を手放すための唯一の方法だというのがわたしのお答えです。

まとめ

  • 「自分に価値を感じられない」というのは、「無価値感を感じている」ということ。価値を感じられるように「努力」するのではなく、無価値感を「癒す」ことが大切。
  • 人が「無価値感」を抱く原因はほとんどが幼少期の体験。機能不全家族のみならず、親の愛を十分に感じられなかった場合や、ほめ育てで条件付きの愛しかもらえていない場合も含まれる。
  • 諸外国に比べて、日本人の無価値感が強い理由は、おとなが子どもをコントロールする目的のほめ育ての弊害であるというのが森の考え。
  • 努力は、自分に価値を感じられている人がさらなる強みとして上乗せするもの。マイナスを補填するために努力すると、ますます無価値感が強化される。
  • 「自分には価値がある」などと唱え言い聞かせることは、インナーチャイルドにとって、お母さんに悲しみを理解されないままポジティブになることを強要されているようなもの。
  • 幼少期に負った心の傷を癒し、マイナス部分を抱えた自分をまるごと無条件で愛することができることが無価値感を手放すための唯一の方法。

インナーチャイルドの癒し方は人によって異なります。具体的なケア方法を知りたい方は、入門講座でお伝えしていますので、よかったらお越しくださいね。

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