わたしおばちゃんだからさ。すぐに自虐ネタを言う人の心理とは?
今日は「自虐ネタ大好きさん」の話です。すぐに自分を落としてしまいたくなるのには、ちゃんと理由があるのです。「わたし〇〇だから」とつい自虐してしまう人の心理とは?
高品質な自虐ネタ
髪の毛が後退しているのではない。
— 孫正義 (@masason) January 8, 2013
私が前進しているのである。
RT @kingfisher0423: 髪の毛の後退度がハゲしい。
これは、ソフトバンク孫正義会長の有名なツイートです。
Twitterで「髪の毛の後退度がハゲしい。」と絡んできた人に、会心の一撃リツイートを喰らわせて、世間の喝さいを浴びたました。お見事です。
実はわたし、今から20年くらい前に仕事で孫会長(当時は社長)にお目に掛かったことがあるのですが、遠巻きに見ているだけでそりゃもうめっちゃ怖かったです。
いつもは偉そうにしている会社のおじさんたちたちが、縦横20㎝ずつくらい縮んじゃうぐらい、圧倒的な威圧感オーラでした。
この高品質な自虐ネタは、そんな孫会長から繰り出された、しかも、Twitterという文字数の限りがあるテキストベースだからこそパンチがあり、その場をぜんぶひっくり返すような、日本シリーズ最終戦での逆転満塁サヨナラホームランくらいの破壊力がありますね。
でも、これが、いつも自虐ばかりしているおじさんの禿げネタだと、ちょっと話は変わってくる。
・まぶしくてごめんね。
・寒いのは俺だけかな?
・頭から風邪ひきそうだよ。
たいしてひねりもないし、笑うに笑えないし、いちいち反応するのもめんどくさい。
本人は笑いを取って場を和ませようとしているつもりかもしれないけれど、素人(孫さんも別に芸人ではないけれどw)の頻回な自虐ネタは、周りをただ消耗させるのです。
わたしおばちゃんだから
とかいうわたしも、実はしょっちゅう自虐ネタを言ってました。
中でも大好きだったのが、
「わたしおばちゃんだから。」
これ、お好きな方多いですよね?( *´艸`)
「おばちゃん」というのは最強で、
・年齢を問わない(20代から言ってる人いる)
・何かに疎いことの言い訳になる
・既婚独身を問わない
・「おばさん」よりちょっとかわいいイメージある
・親近感を抱かれやすい
超万能な自虐なのです。
女性は、年下の人との会話に困ったら、とりあえず「わたしおばちゃんだからさー」と言っとけばなんとかなるような感じさえする。
だから、本人はその場を和ますキラーフレーズとして使ってることが多いんですが、でもこのネタもおじさんの禿げネタ同様、はじめの数回は笑えるかもしれないけど、再三使われるとただの僻みっぽくて面倒くさい人になっちゃいます。
言われる方は毎回、「いやいや、ぜんぜんそんな風に見えないですよー」ってお世辞言わなきゃいけない気もするし、何度も何度も言ってると、逆に「なに?若いって言ってほしいの?」って思われたりもするしね。
自虐ネタは、だれがいつどのくらいの頻度で言うかがポイントなのです。
場を和ませるための自虐と自己防御のための自虐
自虐ネタ大好きさんは、大きく分けて2タイプに分かれます。
まずは、自虐で笑いを取って、その場を和ませようとする人。
これは、争いを避けて平和を保とうとするまるくおさめたいこじらせの「クラウンタイプ」に多いです。
場の空気が悪くなるくらいなら、自分が率先してネタになります。
体形のこと、顔のこと、恋愛のこと、なんでも差し出します。
「どうぞわたしで笑ってください」といった具合に、その場を和ませることに全力投球。
何もそこまでっていうくらい自虐してしまいます。
このタイプの人は、周りは助かるかもしれないけれど、自虐ネタを通り過ぎてリアル自虐になっている可能性大です。
どうしてそこまで自虐してしまうのか、どうして場の空気が悪くなることを恐れるのか、ちょっと立ち止まって考えてみてください。
そこには必ずトラウマが潜んでいます。
そして、それより困るのが、プライドがエベレスト級に高い「ヒーロー・ヒロインタイプ」の自虐。
このタイプの人が自虐する心理を端的に言うと、
「わたしもう自分で自分のこと悪く言ってますから、あなたが言わなくて大丈夫ですよ~」
ということです。
これは、心理学的に言うと防衛機制(自分の心を守る働き)なんですね。
たとえば、自分のことをやたら「デブだからさー」と自虐する人は、「自分でもわかってるから指摘しなくていいし、陰でわたしのことデブとか言わないでね」というけん制だったりします。
なので、このタイプの人が自虐にしてるのをいいことに、それに乗っかって「そうだね。もうちょっと痩せた方がいいかもねw」なんて言おうもんなら、たちまち笑顔がピクピクひきつって、その場がシーンとなってしまったりします。
自分で言うのはいいけど、人に言われるのはイヤ。
そんな風に思うのなら、実は周りに気を遣わせている困ったさんになっているかもしれません。
ちなみに当時のわたしの自虐は完全に後者タイプだったので、マジでめんどくさい女だったと思うw
ネタにできることは本当の悩みではない
そんでもって、実は、自虐ネタで言えるようなことは、本当のお悩みではありません。
自虐ネタは一番のコンプレックスを隠すためのフェイクとして使われることが多いのです。
わたしでいうと、「おばちゃんだから」と自虐しまくっていたときは、実は「孤独であること」が一番の悩みでした。
悩みを打ち明けられる友だちもいないし、甘えられる彼氏もいない。
仕事が生きがいみたいに振舞ってるけど、本当は孤独で、将来が不安で、どうしたらいいかわからない。
それが本当のお悩みでした。
でも、「わたし孤独だからさ」という自虐は決してしませんでした。
なぜならそれは、わたしにとってもっとも触れられたくないセンシティブな問題だったからです。
そのコアの部分は誰にも見られたくないし、近寄られたくすらないから、ちょっと的(マト)を逸らして「わたしおばちゃんだから」を連呼していました。
人に知られたくないということは、当然自分でも認めたくない部分だったので、ちゃんと孤独に向き合って何とかしようというポジティブさはなく、
「どうせわたしなんて」「どうせ誰もわかってくれない」と完全にいじけモードだったんですよね。
自虐しながらいじけてるって、もうめっちゃこじらせてる(((;゚Д゚)))
コアのお悩みと向き合おう
こじらせ繊細さんは、ご自分で自覚しているより自虐ネタを言いまくってる可能性がありますので、ちょっと振り返ってみてください。
そして、自虐ネタが過ぎるなと自覚できたら、ご自分はどっちの自虐タイプなのか、そして自分が本当に知られたくないコアのお悩みはなにかということにぜひ一度向き合ってみてください。
それは、人から嫌われることへの強烈な恐れかもしれないし、誰にも言えないような孤独感かもしれません。
それを克服するためには、自分の心の傷に向き合うこと(インナーチャイルドケア)が必須です。
ここを避けているといつまでも自虐ネタがやめられません。
過度な自虐は自分を傷つけるし、周りからも敬遠されちゃいます。
自分で自分をそんなに落とさなくていいんです。
むしろ、他の人に何か言われたって、自分だけは自分の味方でいてほしいのです。
脱、自虐女で幸せになりましょう。
ちなみに、こっちも結構好きw
不毛ではない。まだ少し残っている。
— 孫正義 (@masason) October 8, 2013
【Bloomberg】
「不毛な値下げ競争が始まった」と批判。http://t.co/ECTu8K0zfq