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HSCの子育ては要注意。繊細な子は【愛情欠乏症】になりやすい。

    
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HSCの子育ては要注意。繊細な子は【愛情欠乏症】になりやすい。

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【今日のお話】
前回の記事で、「自己肯定感は本来、0~3歳くらいの間に一番身近な大人(≒母親)が何の見返りも求めず絶え間ない愛情を注いでくれることで育まれる」と書きました。

では、いったいどのような子が愛情不足に陥りやすいのでしょうか?

前回の記事をまだお読みでない方はこちらからどうぞ↓

参考:わかったようでわからない「自己肯定感」について

<おさらい>自己肯定感の育み方(シンプルバージョン)

前回の記事のおさらいになりますが、
自己肯定感を最もシンプルに痛みを伴わず、時間がかからずに育もうと思ったら、生まれてから3歳くらいまでの間に一番身近な大人(≒母親)から、「何の見返りも求めず絶え間ない愛情」をもらうことです。

「何の見返りも求めず絶え間ない愛情」とは、
子どもが求める情緒的な要求(※物質的な要求ではなく!)に、

必要なときに(親の都合ではなく)、
必要な形で(親の押し付けではなく)、
必要な分だけ(多すぎも少なすぎもせず)、

応えてもらうことです。

一番身近な大人(≒お母さん)から、このようにしてもらった子どもは、「自分は大切な存在だ」「自分には価値がある」という感覚=自己肯定感を育むことができるんです。

自己肯定感を育むことの難しさ

子育てされている方は痛感されていると思いますが、

「何の見返りも求めず絶え間ない愛情」を注ぐ。

これって、頭ではわかっていはいてもなかなか難しいことですよね;;

親は親でいろんな事情を抱えているし、肉体的にも精神的にも限界があるし・・・。

残念ながら、現代の日本において、3歳までに子どもの自己肯定感を十分育めるほど、肉体的にも精神的にもそして金銭的にも余裕のある子育てをできる親って、きっとほとんどいないんじゃないでしょうか。(もちろんわたしもできなかった。)

現代を生きる日本人の大人の約8割がアダルトチルドレン※だと言われる理由はそこにあります。
ほとんどの人が、子ども時代に十分に満足な愛情を受け取れていないのが現状です。

※アダルトチルドレン:幼少期の養育者(主に母親)との関わりに端を発して大人になってからも生きづらさを感じている人。
(参考:【アダルトチルドレン解説】セルフチェック付き ~大人っぽい子供時代を送ってきた人~

自己肯定感を育めない3つのケース

その中でも特に、愛情を受け取るのが困難で、愛着障害※に陥りやすいケースは以下の3つです。

※愛着障害:一番身近な大人(≒母親)との愛着(深い信頼関係)が何らかの理由で形成されず、子どもの情緒や対人関係に問題が生じる状態。

①親との離別または虐待・ネグレクトがある

これは親側が愛情を注いでいないか、注ぐ愛情が不足しているケースです。

親との離別以外のケースは以下のようなものがあげられます。

  • 身体的虐待:親が子どもに暴力を振るう。
  • 身体的ネグレクト:食事を与えない、基本的な世話をしないなどの育児放棄。
  • 精神的虐待:大声で怒鳴りつける、ヒステリックに叱る、脅す、罵倒する、侮辱するなどの言葉の暴力を振るう。暴力的な場面や言い争いの場面を見せる(夫婦喧嘩など)。兄弟姉妹間の露骨な差別など。
  • 精神的ネグレクト:無視する、相手にしない、など。
  • 性的虐待:性的な行為をする・見せるなど。

よく、「虐待」と「しつけ」のボーダーが議論になりますが、保護する立場の親が非力な子に心身の危害を加えることはどんな理由があっても虐待です。(と、わたしは考えています。自戒の念も込めて。)

精神疾患や依存症がある場合をはじめ、親が子ども以外のこと(仕事・不倫、遊びなど)に夢中になっていたり、他者と人間関係の問題(夫婦不仲・嫁姑バトル・母娘問題・近隣トラブル・ママ友トラブルなど)を抱えていて、そのことで頭がいっぱいになり、子どもに関心が向かないような場合も精神的なネグレクトになります。

虐待やネグレクトは、「何の見返りも求めず絶え間ない愛情」とは真逆です。

このような環境下で育つ子は、愛情飢餓状態であり、自己肯定感を育むことができません。

②親が与えているものと子が欲しいもののアンマッチ

これは、非常によくあるケースで、どこの家庭でも起こり得ます。親の供給と子の需要がマッチしていないケースです。

このケースでは、親がどんなに子どもに愛情を注いでいる「つもり」でも、子どもが愛情を感じることができません。

親が良かれと思って子どもにすることが、必ずしも子どもが「必要としていること」とイコールではないからです。

  • 情緒的な要求に物質的なことで応える。
  • 世間体や体裁を気にしすぎる。
  • 教育熱心で、子どもの感情に無関心。
  • 他人(親・友人)からのアドバイスや育児書に書いてあることを盲目的に取り入れようとする。
  • いい親であろうとしすぎて自己犠牲を払う。

このようなケースは一見、周りから見ると「いいお母さん」に見えることも多いのですが、子どもにとっての「いいお母さん」であるとは限らず、親子間のアンマッチが起こりやすいです。

情緒的な要求に物質的なもので応えるとは、子どもが抱っこ(スキンシップ)を求めているときに、飴を口の中に放り込んで黙らせてしまうようなことで、これでは子どもは満たされません。
親の満足感でなく、子が本当に満足しているかが大切です。

また、親が自分のことはいつも二の次で、自己犠牲的に尽くされた場合、子どもは「自分は大好きなお母さんを不幸にしなければ愛情をもらえない」のだと思い込んでしまい、愛情を受け取ることへの抵抗感が出てしまいます。

これらの場合、虐待やネグレクトのある機能不全家族でなくても、子どもは十分な愛情を受け取れません。

アンマッチが極端な場合には、子どもはまるで虐待を受けたかのような愛情飢餓状態に陥ります。

③子どもがHSCなど繊細な気質を持っている

HSC(ひといちばい繊細な子)などの繊細な気質を持っている場合に、親が気を付けなくてはいけないケースです。

繊細な子は、幼いころから親の顔色・声色などに敏感で、人の気持ち汲み取ることに長けています。

たとえ目の前で言い争わなかったとしても、家庭内の不和を敏感に感じ取り、間を取り持つように気を使ったり、母親のため息を聞いて、「疲れてるのかな?」「お金がないのかな?」などと思いを巡らせたりします。

このように幼いころから「空気が読める子」であるため、親の気持ちがわかる優しい子なのですが、反面、「手のかからな子」として扱われやすく、ともすると子自身もその期待に応えようと、「なんでもひとりでできる子」でいようと努力します。

HSCは本来、繊細で傷つきやすい性質ゆえ、ひといちばいケアが必要な子どもですが、親に余裕がないとなかなかそのことに気づくことができません。

親に直接愛情を要求せず、親が気づいてくれるのをじっと待っていたりするのです。

空気を読み、母親に愛情をねだるこもなく、愛情飢餓状態に陥っていきます。

手のかからな子ほど危ないと言われるのは、これが理由です。

手がかからないから危ないのではなく、親の手を煩わせないように愛情の受け取りを自ら辞退してしまい愛情飢餓に陥りやすいということです。

親としては、「ちょうだい」と言われないのをいいことに、その子は満たされているものと思い込み、つい手のかかる他の兄弟姉妹に気を取られてしまい、その子は後回しにしがちです。

繊細な子は、そのような場面に出くわすたび、「お母さんはわたしより〇〇のことが好きなんだ」と密かに傷つき、「もっといい子にしてなきゃお母さんに嫌われちゃう」とますます気を利かせるようになります。

こうして親子の溝(アンマッチ)はどんどん広がっていき、大人になったある日、自分は愛情欠乏で自己肯定感を持てず苦しんでいるにも関わらず、母親から平気で「あなたは本当に手がかからなくて楽だったわ」なんて言われちゃうのです;;

ここで知っておいていただきたいことは、「ひといちばい繊細な子は、良い環境にも悪い環境にも影響を受けやすい」ということです。

HSCとして生まれたら、愛情を受け取れず自己肯定感を育めないわけではなく、「繊細がゆえに、良くも悪くも環境の影響を受けやすい」ということです。

愛情たっぷりの恵まれた環境で生まれ育ったHSCは、幼いころから自分の高い感受性を認められ、さまざまな方面での才能をのびやかに発揮します。

つまり、HSC自体が自己肯定感を育めない理由ではなく、①や②であげたような要素が少しでも家庭内にあると、HSCは他の子よりも多分に影響を受けやすいということですので、③単体で愛情飢餓に陥るわけではありません。

ただし、①②の影響は、他の子たちよりも大きく受けると思っておいた方がいいと思います。

まとめ

今回は、子どもが愛情不足に陥りやすいパターンを解説しました。

  • 子どもが満足するような愛情を与えることは非常に難しい。現代を生きる日本人の大人の約8割がアダルトチルドレンである。
  • 中でも特に愛情を受け取りにくく、愛着障害に陥りやすいのが、①虐待・ネグレクトがある②親が与えているものと子が欲しいもののアンマッチ③子どもがHSCなど繊細な気質を持っているの3パターン。
  • ①虐待・ネグレクトは、子どもにとって大きな心の傷となり、愛情飢餓に陥る。肉体的虐待・ネグレクトだけでなく、精神的虐待・ネグレクトもある。しつけと称した虐待にも要注意。
  • ②親が与えているものと子が欲しいもののアンマッチは、どこの家庭でも起こり得る。親がどんなに一生懸命子供に愛情を注いでいるつもりでも、それが子が受け取りたい愛のカタチとは異なる場合もある。親の満足感でなく、子が本当に満足しているかが大切
  • ③子どもがHSCなど繊細な気質を持っている場合にも、愛情不足に陥りやすいので要注意。空気が読める子は親に直接愛情を要求せず、親が気づいてくれるのをじっと待っていたりする
  • 繊細な子(HSC)だからといって、一律に愛情不足に陥るわけではない。愛情たっぷりの良い環境で育てば、むしろ伸び伸びと才能を発揮することができる

ちなみにお伝えしておくと、わたしも息子が3歳までの子育てなんて、もう記憶が曖昧なくらいにめちゃくちゃでした。

息子のことは可愛くて大好きなんだけど、それに心も体も追いつかない感じ。

常にイライラしていたし、夫婦仲だって険悪だったし、本音を言えばいつだって「ひとりになりたい」って思ってたし。

そんなポンコツ母のわたしだからこそ、みなさんにお伝えできることがあると思ってこの記事を書いています。

次回は、愛情飢餓に陥った子が、どのようになるのかということについて、もう少し具体的にお話できたらと思います。

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