【HSP解説】セルフチェック診断付き ~ひといちばい敏感な繊細さん~
このページでは、「HSP」について解説しています。
HSPとは?
HSP=The Highly Sensitive Personの略。
日本語訳は「ひといちばい繊細(敏感)な人」。
- 1996年にアメリカの心理学者エレイン・N・アーロン博士が提唱した概念。
- 生得的な特性として(生まれつき)、高度な感覚処理感受性(※)を持つ人のことを指します。
※感覚処理感受性=SPS(sensory-processing sensitivity):脳内で感覚情報(体性感覚、痛覚、視覚、聴覚、味覚など)を処理する過程における個人差。
- 感覚処理感受性(SPS値)が高いと、刺激を感知するしきい値が低くなるので、心身の刺激に敏感で、刺激過多のために興奮状態に陥りやすいのが特徴です。
- 人口の約20%、5人に1人はHSPであると言われ、国や性別により偏りはないとされています。
- 人間のみならず、100種以上の生物にも同様の特性が見られます。
- 共通項は「ひといちばい敏感」ということのみで、音、光、臭い、触感、食感など、何に反応を示すかは人それぞれ異なります。
【NOTE】
従来、HSPの感度の差については言及されていませんでしたが、2018年にアーロン博士らがネイチャー誌で発表した研究内容には、「敏感さには低・中・高の3種類の分類がある」と記されています。
文献には、花の扱いやすさに例えて、ユリ(好感度)、チューリップ(中感度)、たんぽぽ(低感度)と記載されています。
感受性レベルの決定は、アメリカの心理学者であり、オレゴン大学の名誉教授であるルイス・R・ゴールドバーグが提唱した個人の性格に関する学説ビッグファイブの外向性と神経性傾向、そして別途感情反応性の違いによって決定されることが示されました。
したがって、現在は2段階(HSPか非HSP)に分類されているHSPですが、後々3段階に分類されるようになるかもしれません。
このあたりの情報に関しては、まだ日本向けのものがほとんどない状況です。
新たな情報が入り次第、こちらでお伝えします。(2019.9.1)
HSPの4大特性
エレイン・アーロン博士の定義では、HSPはDOESというつの4つの特性を持ち合わせています。
- D(Depth of processing): 深く考える
→脳内の情報処理量がとても多いため、ひとつのモノコトから他の人よりも非常に多くの刺激を受け取る。 - O(Easily Overstimulated): 過剰に刺激を受けやすい
→脊髄神経を介して起こる反応(いわゆる反射)のスピードが速く、物質からの痛みや刺激を受けやすい。
免疫システムも敏感で、アレルギー反応が出やすい。
- E(Empathy and Emotional responsiveness): 共感力が高く感情反応が速い
→脳のミラーニューロン(※)という神経細胞の働きが活発なため、相手の感情に共感しやすい。
※ミラーニューロン=他人がしていることを見て、我がことのように感じる共感(エンパシー)能力を司る。
- S(Sensitive to subtle stimuli): ささいな刺激を察知する
→脳内の神経伝達物資であるセロトニン遺伝子の変異で「差次感受性」が強く変化に敏感。
何に敏感か(対象物)はひとそれぞれですが、必ずこれらすべての特性を持ち合わせており、このうち一つでも欠けるとHSPではないとされています。
つまり、どんなに共感力が高くても(E)、深く考えない(D)場合には、HSPではないし、どんなに深く考えても(D)、共感力がない(E)場合には、HSPではないということです。
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なにに敏感かがひとそれぞれ異なる理由
同じHSPであっても、音、光、臭い、触感、食感など、何に反応を示すかは人それぞれ異なります。
したがって、「物音が気にならないからHSPではない」などと断片的に判断することはできません。
何に敏感かが人それぞれ異なる理由は以下のとおりです。
- 理由① 遺伝子構造が異なるから父(HSP) :まぶしい光が苦手、TVの音は気にならない。
母(HSP) :まぶしい光は気にならないが、TVの音が苦手。
兄(非HSP) :まぶしい光もTVの音も気にならない。
妹(HSP) :まぶしい光もTVの音も苦手。
※このように血のつながった家族でもひとりひとり遺伝子構造が異なるため示す反応もさまざまです。
- 理由② 生育環境が異なるから親や周りの大人から、「気にしすぎ」と言われ続けると、「そうかもしれない」と感じないようにする癖がつくことがあります。
カウンセリングなどで、自己解明が進むにつれ、隠していたその部分が徐々に表面化されることもあります。
- 理由③ 脳内の「行動制御システム」と「行動活性システム」のバランスが異なるから
・行動制御システム:過去の記憶と照合し、危険がないか用心する。
・行動活性システム:新しい経験を求め、果敢にチャレンジする。人間には皆、両方のシステムがあらかじめ備わっていますが、どちらが強く出るかはひとそれぞれです。
※「HSS型HSP編」で詳しく解説します。
HSP=生きづらい?
ちまたでは、「HSPは敏感で生きづらい」と言われがちですが、そんなことはありません。
HSPは「ひといちばい敏感な人」という生得的な特性であって、生きづらいかどうかには直結しません。
現に、少数ではありますが、HSPであっても自分らしく楽しく生きている人たちは存在します。
そんな人たちと生きづらさを抱えている人との違い、それは自己肯定感の有無です。
自己肯定感とは、「ありのままの自分を認め愛している感覚」のことを言います。
自己肯定感がないとどんな人でも(HSPに限らず)、生きづらさを感じるのです。
そして、HSPはひといちばい自己肯定感を育みにくい特性であると考えられます。
それにはふたつ理由があります。
- 敏感なところを周囲に理解されづらく、幼いころから「弱虫」「怖がり」「神経質」「変わっている」などのレッテルを貼られがちであること。特に日本のように画一的で和を重んじる文化においては、敏感であることを長所として評価されづらい傾向が見られる。
このように個性を認められない環境下においては、繊細な人はありのままの自分で良いという感覚(自己肯定感)を持ちづらい。
- 周囲の気持ちを察する能力に長けているので、親や周りの大人の期待に合わせるため自分の限界を超えて無理をしがちなこと。人と比べることが常態化し、自分の価値を認めずらい。
このような理由で、「自分のことが好きになれない」「この敏感さが無かったら」「誰にもわかってもらえない」といった悩みを抱えやすく、自己肯定感を持つことの妨げになります。
(本人は忘れてしまっていることも多いのですが、幼いころの経験が思いのほか大きく影響を及ぼしています。)
このような理由により、多くのHSPは生きづらさを感じやすくなるのです。
でも、このことを逆手に取ると、自己肯定感さえ手に入れられれば、ひといちばい敏感なHSPであっても自分らしく幸せな人生を歩めるといえます。
それどころか、本来のHSPの良さである感受性の高さを活かして、他の人には到底まねができないような活躍をすることも夢ではないのです。
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