【ミラーニューロン】の誤解。人の気持ちがわかるのと人の顔色をうかがうのはちがいます。
「HSPは人の気持ちがよくわかる」なんていいますよね?
でもそれって、「人の顔色をうかがっている」のとはちがうんです。
よくあるHSPのチェックテスト的なものに、
☑ 他人の気分に左右される
という項目があったりするのですが、これはHSPの四大特性DOESのひとつ「共感力」の有無を問うものです。
この項目、さして迷わずチェックを付ける方が多いと思うのですが、お話を聞いてみると「共感力」とはちょっと違う捉え方をしている方もいるように感じます。
さて、あなたは本当に「共感力」が高い?
共感力とは?
「共感力」というのは、エンパス(empath)力とも言われ、「他人の感情を自分の感情のように感じる力」を言います。
たとえば、
上司に怒鳴られている同僚を見て、
怒鳴られている同僚と同じ感情体験をする。
としたら、あなたはその同僚に共感しています。
これは、怒鳴られている同僚を見て(視覚で捉えて)、脳内のミラーニューロンという神経細胞が反応し、その人と同じ感情体験をするという仕組みです。
ミラーニューロンは、その名前のとおり、視覚や聴覚で捉えた情報から相手の感情をミラー(鏡)のようにコピーする細胞です。
繊細さん(HSP)の脳は、生まれつきこのミラーニューロンの働きが活発になりやすい特性を持っているため、他者の感情が流れ込んできやすく、その分感情が振り回されがちなのです。
・叱られている人を見れば、同じように恐れを感じ、
・失恋した人を見れば、同じように悲しくなり、
・病気で苦しんでいる人を見れば、同じようにつらい気持ちになる。
このようなことが、共感力(エンパス力)です。
チェックテストで問いたいのは、この能力があるかどうかなんですね。
【参考】【エンパス解説】セルフチェック診断付き ~HSPとエンパスはどう違うの?~
共感力と似て非なるもの
で、共感力と勘違いしやすいのが、「相手の顔色をうかがう」クセ。
さっきの上司が同僚を怒鳴っているシチュエーションで言うと、
怒鳴っている上司の顔色をうかがって、自分も怒鳴られないかビクビクする。
これは、共感力が高いわけではなく、自分が同じ目に遭わないように警戒している状態です。
この場合、たしかに怒鳴られている同僚と同じように上司を恐れているのですが、同僚に共感して感情体験をしているワケではなく、過去に自分が誰かに怒鳴られたりしたときの記憶を思い出して恐れているのです。
このふたつの違いお分かりになりますか?
「共感力」で見ているのは、
→怒鳴られている同僚。
「相手の顔色をうかがう」で見ているのは、
→怒鳴っている上司。
ここ、明確にちがいますよね?
HSPのチェックテストの
☑ 他人の気分に左右される
の項目は、「共感力」の有無について問われていて「人の顔色をうかがうかどうか」ではありませんので、混同しませんように!
(ちなみに、この「共感力」がなければ、四大特性の条件から外れますので、そもそもHSPではないのです。)
ダブルパンチのこじらせ繊細さん
で、繊細さん(HSP)の中には、生まれつきの共感力に加えて「相手の顔色をうかがう」クセもあるというダブルパンチの人がいます。
というか、悩めるこじらせ繊細さんは、たいていダブルパンチを喰らっています( *´艸`)
・怒鳴られてる同僚の気持ちも差し込んでくるし
・怒鳴っている上司の声を聞くだけで身震いがする
だからこそ、人が怒られているのを見るのがすこぶる苦手なんです。
あなたもきっとそうですよね?
そんなあなたが気を付けたいことは、
ダブルパンチなので、片方だけ防いでもしっかりダメージを受けてしまうこと。
よくあるHSPの対処法で、「困っている相手との間に境界線を引く(バウンダリー)」というのがありますが、これは、怒られている人(同僚)側に有効でも、怒っている(上司)側がノーガード状態です。
これだと、生きづらさからは解放されないんです。
顔色をうかがってしまう人
エンパスさんの対処法について以前別の記事でも書いていますので、ここでは「人の顔色をうかがってしまう」について解説します。
【参考】【エンパス解説】セルフチェック診断付き ~HSPとエンパスはどう違うの?~
そもそもなぜ、「人の顔色をうかがってしまう」のか考えてみたことはありますか?
「顔色をうかがってしまう人」の共通点は、ズバリ!
親が怖かった人
です;;
怖かった人といっても、別に暴力的とは限りません。
・不機嫌なことが多い
・ちょっとしたことでイライラする
・いつ怒り出すかわからない
・感情的で気分にムラがある
・夫婦喧嘩が多い
・しつけに厳しい
たとえばこんな不機嫌・不安定な親の元で育った子どもは、生存のため、「親を怒らせないように顔色をうかがうという」スキルを身に付けます。
その他にも、親が病気がちだったり、苦労人だったりして、子が気を遣わなければならない状況の場合も、顔色をうかがう(空気を読む)子になり得ます。
特にHSC(ひといちばい敏感な子)は、親のわずかな気分の揺れを察知するのが得意ですので、余計に顔色をうかがうようになりがちです。
あまりに小さなころから繰り返してきているので、それがクセになっていて、息を吸うくらいあたり前に顔色をうかがっています。
で、目の前に親がいなくなった今も、無意識にやっちゃってるんです。
相手は誰かれ構わずで、
・上司
・同僚
・友だち
・夫/妻
・ママ友
・ご近所さん
果ては、自分の子どもや子ども友だちの顔色までも窺ってしまいます。
そして、そのおどおどした態度や平静を装う不自然な態度が相手を刺激し怒らせるという、負のループにハマりがちです。
共感力と顔色をうかがうのは似て非なるものだということ、お判りいただけましたでしょうか?
そして、そうなんです!
もうお気づきかと思いますが、
「人の顔色をうかがってしまう」のは、先天的なHSPの特徴ではなく、後天的なアダルトチルドレン(AC)の特徴です。
- HSPの共感力・・・先天的な特性
- ACの人の顔色をうかがう術・・・後天的な防衛機制
※防衛機制=自分の心を守ろうとする無意識の働き
だから、この防衛機制に対処しない限り、いくら境界線を意識したって、楽になることはないのです。
繊細さんお悩み相談室は、単にHSPの人の敏感さをどうにかするためではなく、(実は)繊細さんなアダルトチルドレのサポートが本職ですので、ぜひ一度ご相談にいらしてくださいね!
※繊細さんお悩み相談室がお伝えしたいのは、繊細さんが図太くなる方法ではなくて、繊細なままで楽に幸せに生きていく方法です。
まとめ
今日のまとめです。
- 「共感力」はエンパス(empath)力。他人の感情を自分の感情のように感じる力。
- 繊細さん(HSP)の脳は、生まれつきミラーニューロン(脳内の神経細胞の一種)の働きが活発になりやすく、他者の感情に振り回されがち。このような人を共感力の高い人という。
- 共感力と勘違いしやすいのが、「相手の顔色をうかがう」性格。
- 「相手の顔色をうかがう」のは、感情移入しているわけではなく、自分が同じ目に遭わないように警戒している状態。
- 生きづらさを抱えるこじらせ繊細さんは、共感力と「相手の顔色をうかがう」クセのダブルパンチを喰らっている可能性大。片方だけに対処しても楽にならない。
- 「人の顔色を窺ってしまう」理由のほとんどは、親が怖かったから。
- 小さなころから親の顔色を窺って生きてきたため、それがクセになっていて、大人になっても無意識に相手の顔色を窺ってしまう。
- 「人の顔色を窺ってしまう」のは、先天的なHSPの特徴ではなく、後天的なアダルトチルドレン(AC)の防衛機制。
- 「人の顔色を窺ってしまう」人は、この無意識に働く防衛機制に対処しないと生きづらさは克服できない。
防衛機制は自分の心を守ろうとする無意識の働き(メカニズム)なので、自分で意識して対処するのは非常に難しいです。
今日のお話を読んで、「あれ?共感力だけじゃないな。人の顔色をうかがってるな。」と思ったら、ぜひ、お早めに専門家の手を借りてくださいね。
繊細さんお悩み相談室は、共感力と防衛機制のダブルパンチで苦しむ方のサポートをしていますので、ぜひお気軽にお話しに来てくださいね!
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