オオカミだったわたし【加害者トラウマ】について考えたい。
今日はあんまり優しくない記事です。
最近、お客さまとお話をしていてやたらキーワードになるのが、この「加害者トラウマ」。
「心の傷を癒してるハズなのになかなか楽になれない」
そんなときはしんどいけどここに目を向けてみましょう!
赤ずきんちゃんだと思っていた自分はまさかのオオカミさんだったのかも!
いきなりですが、加害者にもトラウマがあるってご存知ですか?
トラウマといえば、一般的には被害者が追う心の傷を指しますが、加害者にもトラウマ(心の傷)ができることはあります。
加害者と言っても別に暴力や犯罪を犯すようなパターンだけでなく、
「あのひとことで〇〇さんを傷つけてしまった。」
「困ってる〇〇さんを助けてあげられなかった。」
と引きずっているようなことだったりもします。
みなさんにもきっと、ひとつやふたつやみっつやよっつあるんじゃないでしょうか?
ちなみに森さんは信じられないくらいありました。ワハハ。
トラウマとは?
「加害者トラウマ」について詳しく解説する前に、トラウマについて改めて知っておきましょう。
心的外傷を受けたことのネガティブな影響が長期に渡り及ぶこと。
つまり、何らかの出来事によって、心に傷を負い、その影響が長期にわたってその人の人生に影を落としている状態を言います。
もしあなたが今なんとなくの生きづらさを抱えているとしたら、それがトラウマの影響である可能性は大です。
これまでのことを振り返り、トラウマの存在に気づき癒すことで前を向けるようになっていきます。
トラウマの種類
トラウマは以下のように分類することができます。
単回性トラウマと複雑性トラウマ
以前、とりあげましたが、トラウマには、単回性トラウマと複雑性トラウマがあります。
詳しい解説はこちらの記事をご覧ください。
※参考記事:トラウマには2種類あるってご存知ですか?
読んで字のごとくなんですが、
単回性トラウマは、災害や性犯罪など、一回の衝撃的な出来事によってできるトラウマです。
一方の複雑性トラウマは、DV(見ているだけも含む)やネグレクトなど複数回のつらい出来事が重なってできる複雑なトラウマです。
複雑性トラウマは、親の暴力的な言葉遣いや兄弟間ひいき、軽蔑的な視線や嘲笑のくり返しなどによってもできることがあり、特にHSC(ひといちばい繊細な子)は、このような親の言動から影響を受けやすい傾向が見られます。
被害者トラウマと加害者トラウマ
そしてまた、被害者トラウマと加害者トラウマに分類することもできます。
被害者トラウマとは、一般的に言われるトラウマのこと。
自分が何らかの出来事で心に傷を負わされた状態です。
加害者トラウマには、逆に自分が誰かを傷つけてしまったと感じている状態です。
暴力や犯罪などで相手の心身に傷を負わせたことだけでなく、「相手が困っているのをわかっているのに助けられなかった」「他の人に促されて友だちを無視してしまった」というような消極的・受動的な加害の場合にも、罪の意識から心に傷を負うことがあります。
トラウマ図解
上記のことを図にするとこんな感じです。
※図は拡大できます。
※単回性被害者トラウマ・単回性加害者トラウマ・複雑性被害者トラウマ・複雑性加害者トラウマの名称は、トラウマの分類をわかりやすくするため、繊細さんお悩み相談室で名付けた分類であり、正式な心理学用語ではありません。
単回性被害者トラウマ
大きな出来事により、雷に打たれるような衝撃でできた心の傷。
強い恐怖感・無力感など、出来事の被害者としての心の傷。
例:犯罪被害に遭った。大震災で被災した。など。
単回性加害者トラウマ
大きな出来事により、雷に打たれるような衝撃でできた心の傷。
強い恐怖感・無価値感など、出来事の加害者としての心の傷。
例:犯罪を犯して他人を傷つけた。火災で自分を助けた人が代わりに亡くなってしまった。など。
複雑性被害者トラウマ
比較的小さな出来事が積み重なって、雪が降り積もるように負った心の傷。
恐怖感・無価値観など、出来事の被害者としての心の傷。
例:食事をまともに与えられなかった。たびたび暴力的な言葉を浴びせられた。など。
複雑性加害者トラウマ
比較的小さな出来事が積み重なって、雪が降り積もるように負った心の傷。
恐怖感・無価値観など、出来事の加害者としての心の傷。
例:いじめに加担した。兄弟差別で自分が優遇されている状況に甘んじていた。など。
トラウマによる生きづらさ
- 人の目が怖い
- 周りの人の視線が気になってしかたない
- 圧の強い人が苦手
- 人との距離感がわからない
- 家族へのイライラが止まらない
わたしのところには、このような人間関係のお悩みを抱えているクライアントさんが毎日のようにこられますが、
そのうちほとんどの人が、複雑性被害者トラウマを抱えています。
そして、それに加えて複雑性加害者トラウマも抱えているケースもとても多いです。
トラウマを癒しているのになかなか楽にならない場合には、こちらの複雑性加害者トラウマの可能性についても見ていくことになります。
いずれにしても、幼少期に負った、被害者としての心の傷、加害者としての心の傷、両方にアプローチしていくと、生きづらさは次第に解消されていきます。
それは、今目の前の人を恐れているようであって、ほとんどの人間関係のお悩みは、過去に負った自分の心の傷が作用しているからなのです。
複雑性加害者トラウマの問題点
複雑性加害者トラウマが他のトラウマとちがうところは、圧倒的に自分では気づきにくいことです。
単回性トラウマはその衝撃の大きさから自分も周囲も記憶に残りやすいですし、複雑性被害者トラウマは、過去を振り返るプロセスの中で比較的容易に思い出すことができます。
ところが、複雑性加害者トラウマについては、罪の意識から忘れようと奥深くにしまい込んでしまっている方が多く、複雑性被害者トラウマの癒しがある程度進むまで、なかなか顔を出してくれなかったりします。
自分では気づけているつもりでも、それがフェイクである場合も多いですし、
また、きちんとトラウマに気づいてからも受け入れるのが難しく、強い抵抗感を示される方も多いので、慎重に慎重に進めていく必要があります。
無理するとさらに記憶が奥深くに入り込んでしまったり、心身を壊してしまう恐れもあるので、ぜひ、ここは専門家の手を借りてほしいです。
ちなみにわたしはここで適切なプロにお願いせず、めっちゃジタバタ抵抗して、なかなか前に進めなかったクチですw
加害者としての自分を受け入れる
わたしの経験から言って、自分の中にある加害者トラウマに気づいたときの衝撃はなかなかのものです。
いつも他人に傷つけられて生きてきたと思っていた自分が実は加害者だったなんて!
自分かわいそうと思っていたけれど、自分も同じようなことをしていたなんて!
赤ずきんちゃんだと思ってた自分が実はオオカミだったなんて!!
でも、その現実から目を逸らしていては、いつまで経っても楽になることはありません。
ある側面では被害者である自分、ある側面では加害者である自分。
そのような自分の白い分と黒い分、陰と陽、両方の側面を受け入れてこそ、はじめて本当の意味で自分を受け入れたことになります。
残念ながら、人を見下していたり、人に意地悪だったり、お金に意地汚なかったり。そんないや~な一面もあなたの一部です。
黒い部分を隠して、白い部分だけで生きていこうとするなんて、パンダの黒いところを無理やり白いペンキで塗りつぶすようなもの。
かわいくないし、魅力がない。
ありのままのあなたの方が、うーんと楽に幸せに生きられるんですよ。
まとめ
今日のまとめ。
- トラウマには種類がある。
単回性トラウマと複雑性トラウマ、被害者トラウマと加害者トラウマに大別できる。
- 被害者としてのトラウマケアを行っただけで楽になれない場合は、加害者としてのトラウマがないか見ていく。
- 複雑性加害者トラウマは他のトラウマに比べて気づきにくく、また受け入れるのも困難であるため、慎重に取り扱う必要がある。
- 被害者としての自分だけでなく、加害者としての自分も受けいられたとき、本当の癒しが訪れ、ありのままの自分で生きていけるようになる。
いかがでしたでしょうか?
今日の記事を読んで、けっこうギクッとした方も多いのではないでしょうか。
でも、安心してください。
人間誰しもが、白い部分と黒い部分両方持っていて、どちらか片方だけなんてこと、ないんですよ。
わたしは、ここでつまずいて本当に時間がかかってしまったので、みなさんにはそんな思いしてほしくないなぁと思って書いてみました。
もし、この記事にピンときた方は、ぜひお話にいらしてください。
どんなあなたでも大丈夫。
わたしもそこから這い上がってきました。
あなたの黒い部分もちゃんと受け止めますので、ご安心くださいねー。
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