【お悩み相談】自分を俯瞰するってどうすればいいの?(メタ認知)
相談してくださった人
piqiさん(40代・女性)
本日はどのようなご相談でしょうか?
この一年、自分と向き合うようになってから恐れが減っていることに気づき、そして、今を生きる。を意識しています。
ところが、今壁にぶつかっています。
それは自分を俯瞰すること。
わかりやすく教えていただけますか。
piqiさん、ご質問ありがとうございます。
おっと。難しいご質問きましたねー。「自分を俯瞰する」ですね?
よく聞くけどなんだかいまいちよくわからない。
今回はそんな「自分を俯瞰する」についてお話してみたいと思います。
「自分を俯瞰する」ってなに?
まず、言葉の意味を理解しておきましょう。
「自分を俯瞰する」ってよく自己啓発系の本とかで見る言葉ですが、それってどんな意味なのでしょう?
「俯瞰する」という言葉には、元々「高いところから見下ろす」という意味があって、これが転じて、「広い視野で物事を見ること」「客観的に物事の全体像を捉えること」といった意味に使われています。
つまり、主観を外し、物事の全体像を捉えること。
イメージしていただくのであれば、自分自身からちょっと離れて斜め上から全体像を眺めているような、そんな感じですかね?
心理学の言葉で、自分を俯瞰することは「メタ認知」といいます。
メタ認知とは?
「メタ認知」という言葉も聞いたことがある人が多いかもしれませんね。
・メタ=超越した、高次の
・認知=知覚・判断・想像・推論・決定・記憶・言語理解の総称
です。
はい。ややこしいですね(;´∀`)
もう少しかみ砕いて言うと、自分が「そうだ」と思うことに対して、それを「そうだと思っている」と思うこと。
いや、わかりにくい(;´∀`)
具体例を持ってきましょう。
たとえば、目の前においしそうなお菓子があるとします。
わたしが、「ここにおいしそうなお菓子がある」と思うのは認知。
「わたしは、ここにおいしそうなお菓子があると認識している」と思うのが、メタ認知です。
つまり、認知を認知するのがメタ認知です。
なんとなく伝わりましたか?
メタ認知が必要な理由
では、なぜメタ認知(自分を俯瞰)した方が良いと、あちこちで言われているのでしょうか?
その理由は、ゆがんだ認知でものごとを捉えることがなくなり、感情に振り回されず冷静でいられるようになるからです。
※「ゆがんだ認知」とは、誇張的で非合理的な思考パターンのこと。=認知バイアス(認知のゆがみ)
※参考:HSPを悩ます思考のクセ。認知のゆがみ10種類徹底解説。
ここでもたとえ話を出しますね。
目の前で子どもが牛乳の入ったコップを持ってウロウロしているとします。
これを「こぼすかもしれないし、こぼさないかもしれない」というフラットな視点ではなく、「どーせこぼすに決まっている」という決めつけ(ゆがんだ認知)で見たとき、「ちょっと!何やってんの!?またこぼすわよ!# 」とヒステリックに叱ることになります。
ここで「わたしは子どもがまた牛乳をこぼすだろうと思っている(思い込んでいる)」とメタ認知ができると、「こぼしそうで心配だから、座って飲んでくれる?」と優しく伝えることができます。(たぶんw)
それとか、だんなさんから「あ、今日カレーなの?」と言われたとします。
この質問を「今日はカレーかどうかを問われている」という客観的な視点ではなく、「うちのダンナはいつもわたしの料理にケチをつける」という思い込み(ゆがんだ認知)で聞くと、「はぁ?なに?また文句?自分で作れば?ムカつく!!」といきなりブチ切れることになります(;´∀`)
でもここで、「わたしはダンナがいつもわたしの料理にケチをつけると思っている(思い込んでいる)」とメタ認知できると、「深い意味はないのかもしれない」とか「お昼にカレー食べちゃったのかな?」とか他の可能性も考慮することができ、とりあえずは「うん。カレーだよ」とシンプルに返すことができます。
(そこで、「えー、またカレー?」と言われてからキレても遅くはない!w)
メタ認知ができると、一方的な思い込みや決めつけで、我を忘れてカッとなったり、ディスられたと悲しんだりすることがグンと減るので、不要な人間関係のトラブルを回避できるようになるんです。
認知のゆがみの記事でも書いたとおり、特に繊細さんは認知のゆがみを持ちやすい性質なので、意識して「メタ認知」するようにすることで、フラットな視点を心がけることをおすすめします。
メタ認知の練習
でも、いきなり「メタ認知をやろう!」と思ってもなかなかうまくいかないと思います。
アンガーマネジメントのカウント法などを試されたことのある方はお分かりだと思いますが、「怒りが沸いたら6数えて」とか言われても、カチンと来ちゃったときってそんな悠長に6数えている余裕なんてないですよね?
たとえ思い出しても「なんでこっちが被害者なのに我慢しなくちゃいけないの!?」とかって余計頭にきちゃうかも。
なので、いきなり実践で試そうとせず、日ごろからメタ認知の練習をしておくことをおすすめします。
そのために一番効果的なのが、自分の実況中継。
題して「隣の古館さん作戦」ですw
たとえば、朝起きて「まだねむーい」と思ったとき、「わたしはまだ眠いと思ってます」とつぶやいてみます。
「おなかへったー」と思ったとき、「わたしはお腹が減ったと感じています」とつぶやいてみます。
こうやって、斜め上にいるメタ(高次)の自分(B)が、リアルの自分(A)の気持ちをリアルタイム実況するみたいにすると、メタ認知しやすいです。
あとは、紙に自分が感じていることを「~と思っています」という形式で書きだしてみるのもいいと思います。
こうやって普段から自分をメタ認知する練習をしておくと、いざというときに「メタ認知モード」にすんなり入れますので、ぜひ試してみてくださいね^^
この方法を習得できていると、怒っているときだけでなく、緊張しているときや怖いときなんかにも効果があります。
「緊張するーーー!((((;゚Д゚))))ガクブル」って思ってるより、「わたしは今、緊張を感じています。」と実況中継した方が冷静になれるし、
「怖いーーーっ!((((;゚Д゚))))ガクブル」って思っているより、「わたしは今、とんでもない恐怖を感じてるようです。」と実況中継した方が怖さが和らぎます。
これ、本当に効果があるから、ぜひ試してみてくださいね^^
できてることをメタ認知しよう
そして、お悩み相談の本筋からちょっとズレるかもしれませんが、
>自分と向き合うようになってから恐れが減っていることに気づき、そして、今を生きる。を意識しています。
これってめっちゃすごいことなんですよ!
去年の自分より、恐れが減ってる。
今を生きるを意識できている。
1年でこれだけの変化があったなんて、十分ではないでしょうか?
人って「自分を俯瞰できていない!」「なかなか楽になれない!」といった具合に、つい「できていないところ」「足りないところ」ばかりに焦点をあててしまいがちです。
できないことに気づくのも、それはそれですばらしいと思うのですが、ぜひ「できていること」「満たされているところ」にもしっかり目を向けてご自身を労ってくださいね。
できていることを認知せずに、できていないところばかりに目を向けてしまうのもゆがんだ認知で「自分を俯瞰できていない」ということなんです。
「自分を俯瞰するとこまではいかないけれど、でも去年よりいろんなことが怖くなくなってきたし、イマココも意識できてる。わたし、この一年めっちゃよくやったよね。がんばったね。」
こんな風にいいも悪いもありのままを受け入れられるようになるのが、メタ認知のいいところです。
今日の処方箋
というわけで、本日の処方箋はこちら。
【森からの処方箋】
・自分を俯瞰する=「メタ認知」=認知を認知すること。主観を外し、物事の全体像を捉えること。
・メタ認知をすることのメリットは、思い込みや決めつけで、感情に振り回されるのを回避できること。
・メタ認知はいきなり実践でやろうとするのではなく、普段から練習しておくことが大事。
・練習方法のおすすめは「隣の古館さん」。自分の気持ちの実況中継をしてみる。
・できないことだけではなく、できることもメタ認知して、自分をねぎらおう!
piqiさん、「自分を俯瞰する」についてなんとなくご理解いただけましたでしょうか?
大切なのは、何のためにメタ認知が必要なのかを理解して、自分の感じたことを自分で拾い上げること、自分が自分の一番の理解者でいることです。
このとき意識していただきたのは、感情の波に飲み込まれないこと。
「お、感情きたなー」とメタ認知して、ひょいと乗りこなしてくださいね。
piqiさんのこれから、応援しています!
困ったらまたいつでもいらしてください!
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